「聞き屋与平」宇江佐真理 作
今回もなかなかの作品だ。
親から引き継いだ店(薬種屋)をさらに大きくして三人の息子に譲り、隠居生活をする与平が何の趣味も持たなかった。そこで道に出て床机を出し人の話を聞く事を初めるのである。意見を言うのでもなく、ただ聞くだけだ。それでもお客は満足して帰るのである。聞いた話は秘密厳守だ。
江戸も義理人情を尊ぶ町だけれど、暮らしは皆大変なのだ。だから助け合って生きるのだ。しかし、いろんな悩み事ややりきれない思いがある。たとえどうもできなくても話すことでなんかすっきりすることもある。
与平は今のカウンセリングのようなことしていたのだ。
一人で悩んでいるとどんどんマイナスの方向に行ってしまって、どうしようもなくなってしまう。
だから、ひとりでも話せる誰かが必要かも。
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