高田 郁 「今朝の春」
澪つくし料理小説、第4弾
今回も面白く読ませていただいた。
天涯孤独の澪が類まれな舌をもち、飯屋を江戸の人気店にして行く話。
天才的な料理才能にお客たちはその美味しさのあまり驚くばかり。
その年の終わりに江戸の№1の店を選ぶという事になり、今で言うミシュランの5つ星店を選ぶときに江戸の有名店(常連店)と澪が腕を振うつる屋の票が真っ二つに分かれた。
そこで2次審査をすることになり同じ材料を使って競わせて勝敗を決める事になる。
ここからは読んでからのお楽しみ。
この作品で気に入った言葉がある。
「勝つということに拘って敗れたなら、それまでの精進はその者にとっての無駄。しかし、ただ無心に精進を重ねて敗れたならば、その精進はその者の糧になる。」
それは、精進するという方向性が違っている。前者は勝ちたいという欲のためだけに一生懸命になる事で、後者はもっと上手くなりたい、そして人が喜んでくれるために頑張る事。これだけ大きく違いがある。
この作品はまだまだ続きそうだ。
次が楽しみだ。
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